1. ラベルをチェックしてみよう
pH(ピーエイチ)って何?
化粧水のパッケージや説明書に、「pH」という表記が載っていることがあります。
このpHとは、「その化粧水が酸性・中性・アルカリ性のどこにあたるのか」を示す数値のことです。
数字は0〜14の間で表され、7が中性、7より小さいと酸性、7より大きいとアルカリ性を表します。
私たちの肌は、生まれたときから「弱酸性(pH4.5〜5.5)」を保つようにできています。
この弱酸性の状態は、肌を外の刺激から守る「バリア機能」の働きがスムーズになる理想的な状態です。
たとえば、紫外線、乾燥、雑菌などの外敵から肌を守ってくれたり、うるおいをキープしてくれるのも、このバリア機能のおかげなんです。
pHが「4.5〜5.5」の化粧水は、私たちの肌にとって自然で、優しくなじみやすいという特徴があります。
一方で、もしpHが「6.0」以上、特に「8.0」や「9.0」などになると、アルカリ性に傾いている可能性があり、肌への刺激やつっぱり感を感じやすくなることも。
最近では、「弱酸性」と表示されている製品も増えてきていますが、すべての化粧水にpH値が表示されているわけではありません。
だからこそ、製品選びのときにラベルをよく見ることがとても大切になります。
「弱酸性」って書いてある?
化粧水のラベルに「弱酸性」と書いてある場合、それは製品のpH値が4.5〜5.5の範囲内で作られているという意味です。
この範囲で作られている化粧品は、肌本来の状態に近いため、肌トラブルを防ぎやすく、敏感肌の方にも使いやすいという特徴があります。
逆に、「弱酸性」という表記がない化粧水は、アルカリ性や中性の可能性もあるため、肌が敏感な人や、バリア機能が弱っている時期(季節の変わり目や体調不良のときなど)は注意が必要です。
また、成分表を見る際には、「石けん系の成分(脂肪酸ナトリウムやカリウム)」や「アルカリ系の無機塩」などが入っていないかもチェックしておくと、pHの傾きを予測しやすくなります。
→ まとめると、肌に優しい化粧水を選ぶ第一歩は、「pH値」や「弱酸性」の記載があるかをラベルで確認することです。
特に初めてスキンケアを始める人や、肌トラブルが起きやすい時期には、このポイントを見逃さずに選びましょう。
+さらにワンポイント!
「弱酸性=すべての人に合う」というわけではありません。肌質は人それぞれなので、最初は手の甲などに少しつけて様子を見る「パッチテスト」もおすすめです。
肌のバリア機能が乱れているときには、弱酸性でも刺激を感じる場合があるので、無理せず様子を見ながら使いましょう。
また、「弱酸性」と書いてあっても、防腐剤やアルコール、香料などが多く含まれていると、肌への刺激になることもあります。
成分表の最初の方に「エタノール」や「香料」がある場合は、敏感肌の方は一度慎重に選ぶのが安心です。
最近では、無添加やナチュラル成分にこだわった「弱酸性化粧水」もたくさん登場していて、価格もプチプラから高級ラインまでさまざま。
自分の肌質や目的(乾燥・ニキビ・エイジングケアなど)に合わせて、安心して使える1本を見つけてみてくださいね。
最後にもう一度大切なことをまとめると、
- ラベルに「pH」や「弱酸性」と書かれているかを見る
- 成分表も一緒に確認する(石けん系・アルコールなど)
- 肌が敏感なときはまずパッチテストをしてみる
この3つを心がけることで、自分の肌に合った優しい化粧水を選びやすくなりますよ。
2. 成分のチェック
化粧水の中身を知るカギは“成分表”にあります。
パッケージの裏に書いてある成分表には、その化粧水にどんな成分が含まれているのかがすべて載っています。
pHがアルカリ性に傾きやすい成分を知っておくと、肌に合うかどうかを選びやすくなります。
アルカリ性になりやすい成分ってどんなもの?
代表的なのは「脂肪酸ナトリウム(ステアリン酸Naなど)」や「脂肪酸カリウム(ラウリン酸Kなど)」などの石けん系の成分です。
これらは洗浄力が強く、皮脂や汚れをしっかり落としますが、肌のうるおいも奪ってしまうことがあります。
また、「エタノール(アルコールの一種)」も要注意。
清涼感や防腐のために使われますが、乾燥肌や敏感肌の方にとって刺激になりやすい成分です。
成分表は配合量の多い順に並んでいます。上の方にアルカリ性成分があれば、それだけ量が多いということ。
つまり、その化粧水はアルカリ性に近い可能性があると判断できます。
どうやって選べばいいの?
成分表を見るときは、次のポイントを意識してみてください:
- 石けん系の成分(脂肪酸Na・Kなど)があるか
- 「エタノール」や「変性アルコール」が多く入っていないか
- 保湿成分(グリセリン、ヒアルロン酸など)がしっかりあるか
最近は、肌へのやさしさを考えて作られたスキンケアも増えています。
とくに赤ちゃん用や敏感肌用の商品は、成分もシンプルで安心して使えるものが多いです。
「肌に優しい=余計なものが入っていない」という考え方もとても大切です。
成分表が短く、保湿中心のシンプルな処方は、初心者や肌が不安定なときにもおすすめです。
最初は難しく感じるかもしれませんが、何本か見比べていくうちに目が慣れてきます。
「この成分はよく見かけるな」「これは刺激が強そうだな」と気づけるようになると、自分の肌に合うスキンケアが選べるようになりますよ。
3. 使用感から判断する
実際に使ってみたときの感覚も、すごく大切な判断材料です。
肌は正直なので、合わない化粧水にはすぐ反応します。
特にアルカリ性の化粧水を使ったときには、「つっぱる」「ヒリヒリする」といった感覚が出やすいです。
肌がつっぱる感じがある?
化粧水をつけたあとに顔がキュッと引っ張られるような感じがしたら、それは皮脂やうるおいが取りすぎられているサインかもしれません。
肌を守ってくれている「皮脂膜(ひしまく)」が弱まると、水分がどんどん逃げてしまいます。
刺激や赤みが出る?
使用直後にピリピリ・赤み・かゆみを感じた場合は、肌のバリア機能が乱れている可能性があります。
特に敏感肌の方や、季節の変わり目・体調が不安定なときに出やすいので、無理して使い続けないようにしましょう。
判断のチェックポイント:
- つっぱり感=皮脂の取りすぎ
- ピリピリ感=刺激に対して敏感になっている
- 赤み・かゆみ=肌バリアが弱っている
使用後すぐの感覚だけでなく、5〜10分たったあとの肌の状態も観察しましょう。
時間が経ってもうるおいが続いているか、逆に乾燥が進んでいないかも大切な判断ポイントです。
少しでも違和感があれば、すぐに使用をストップしましょう。
「せっかく買ったし…」と我慢して使うより、自分の肌が安心できるアイテムを選ぶことが大切です。
肌は変わります。
スキンケアを正しく選べば、今よりもっと調子のいい肌に近づけます。
自分の肌にぴったりな化粧水を見つけるまで、小さな変化を感じながら向き合っていきましょう